【京都 烏丸御池】 本家 尾張屋 (そば)
 「コウベグルメライフ」を目指せとのコメントもありましたが、ここは京都です(笑)。
先日でかけたときの昼食のお店。 moo_yoshiさんに教えていただきました。

 私は蕎麦の産地で育っただけに、蕎麦には思い入れがあります。ただし、そう言うと大抵の方は私の想いと違うように理解されます。
「こだわりがあって、これでなくては...っていう味があるのですよね」
いえ、違うんですよ。私の場合、確かに「忘れられない味」というのはあります。お店でもそう。シチュエイションでもそう。
昔の恋人と別れ際に食べたタンシチューの味はこれからも絶対に忘れないでしょう。でも、その「これでなくては..」ではありません。
多くの人、とりわけ関西の方は蕎麦を「こういう味でないと」と思い込みすぎているケースが多いです。蕎麦は、簡素なコンセプトではありますが、微妙に差があり、思うよりも多種多彩な料理で、その地域その地域で愛されてそれぞれ文化になっています。出汁がどう、コシがどう...太さがどう。それはそれで好みとされるのはいいのですが、せっかく料理から他の種類の音楽が聞こえてきても、耳も塞ぐのは勿体ないように思います。
うどんでは大阪のうどんと讃岐のうどんがそれぞれ違って、それなりに美味しいと思っておられるのに、何故?
 東京の人の方がずっと多彩な蕎麦を認めて、美味しく楽しんでおられる気がします。食べ方も蕎麦を食べながら日本酒飲んで、鴨肉や板わさ食べて..なかなか乙なものですよ。
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 閑話休題。このお店、店構えからして立派。なんと京都でいう「先のいくさ」の前からの開業です。
「先のいくさ」って第二次大戦ではありませんよ...京都は巻き込まれなかったから。
「応仁の乱」ですよ。なんと創業五百四十余年..。凄いですね。お店が立派なのもなんとなくわかります。
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 玄関口からしてこのように重厚な雰囲気。そして、食べるところもうねうね歩いていく古い店家の奥には座敷があって、ご馳走をいただく雰囲気になります。
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 まず最初は蕎麦寿司。日本酒に合う味わいです。 

料理の写真はCasio Exlim EX-P600  他はOlympusE-300 11-22mmf2.8-3.5

 
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これ一皿ではきっと何かもの足り無さが残ると思うのですが、お酒を口に含むことで、しみじみとした味わいに変わります。この変化が楽しい。
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 そして、天せいろ。最初の蕎麦寿司のあっさりした味にはまっているので、天ぷらの油の食感に惹かれます。ちょっと寄り道に誘われた感じです。少しの間、天ぷらとお酒で楽しめてしまう。せいろはその間は少し脇役に回っていますが、天ぷらに少し口が飽きると、うーむ、こちらもゆで加減と蕎麦の太さのバランスが良くて嬉しい。
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こういう流れで食べるなら、蕎麦に添える天ぷらは、江戸前の胡麻油でない方が良いような気がしてきます。
 蕎麦だけで美味しいかどうかと問われると、相手によっては少し困ってしまいますけど、私にはとてもいいお店に思えました。「京都というと鰊(にしん)蕎麦」だけというわけではないことを、今更ながらに実感するお店の一つです。私個人の意見では、関西の蕎麦は京都のお店がけっこうレベルが高いように思います。他にも幾つか、いいお店がありますから..凝ったお店は阪神間に多いのですが。

尾張屋本家        京都市中京区車屋町通二条下ル仁王門突抜町322
0120-173446      (烏丸御池交差点東北角から一つ東の通りを少し北上)
075-231-3446
年中無休(正月を除く)
by ktokuri | 2005-07-05 20:56 | グルメ
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